#10 墜落ミッション!/キトリーとユンファ/アリエスとユンファ
『彼方のアストラ』10話の感想・考察(ときどき妄想)になります。
最終話までのネタバレを含んでいます。
墜落ミッション!
このアクションシーンは2巻の中でも特に好きなシーンの一つですね。
今しがたも感想を書くためにざっと読み返そうと思って気が付いたら夢中で読み込んでしまっていました(笑)。
こういう素晴らしい作品が現に目の前にあると、宇宙冒険SF漫画が人気をとれないというのが眉唾に思えてしまいます。
こんなハラハラドキドキする展開があったら、ちびっ子たちが引き込まれないはずないと思うんですけどね。
キトリーとユンファ
この女子3人の会話シーン辺りからユンファの内面が徐々に明らかになっていきますね。
今回はそれぞれとの関係にスポットをあてて考えてみたいと思います。
キトリーとユンファはともにごく幼い頃「母親は何故自分を愛してくれないのか」という致命的な疑問に直面しています。
その解釈として、周りを拒絶して自分の力だけを信じることで生き残ってきたのがキトリー、他方で、周りを無条件に受け入れる代わりに愛されない理由を自分のせいにして生き残ってきたのがユンファなのではないでしょうか(まあざっくりした区分けですが)。
だから長く別々の道を歩んできた二人が表面的に相容れないのは当然ですし、でも根っこは同じだと思うんですよね。
アリエスとユンファ
他方で、アリエスはユンファに当初から好意的です。
アリエスは清らかな心の持ち主なので、別に優越感を得たくて近づいているわけではなく対等な友達関係を望んでいます。
一見ユンファの心を開くのに適役のようですが、母親に愛されて育ったアリエスのことをこの頃のユンファは対等に見ることができません。
アリエスを見ていると「愛される資格のある人」を通じて「資格のない私」が意識されてしまって余計に苦しくなってしまう、それでアリエスが同情的になるとますます「同情される私」がみじめになって悪循環に陥ってしまうんでしょうね。
しかしここでアリエスの立派なところは、ユンファを一番側で見守りつつも最初に自分に心を開いてほしいという私欲がなく、ユンファにはなりたいものがあることをカナタとしっかり情報共有したところだと思います。
そのおかげで後にユンファはカナタに対して自分の内面を打ち明けることができたんだと思うんですよね。
#11に続きます。
お読みくださりありがとうございました!
アリエス・キトリー・ユンファの女子3人組について
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