#15 カナタとユンファ/ユンファの夢/カナタの驚きに私が驚いた
『彼方のアストラ』15話の感想・考察(ときどき妄想)になります。
最終話までのネタバレを含んでいます。
カナタとユンファ
キャプテンであるカナタが一対一で誠意を込め時間をかけ接することで、少しずつユンファの心はほぐれていきます。
特技で役立つことを勧める仲間たちとは違う切り口で説得するところもいいですね(実際有能なメンバーがいればいるほどフォロー役は貴重な存在ですから)。
それにしても、この時ユンファの安心できる距離を保つためにヘルメットを着用していたことで二人がキノコの毒から逃れたって展開はよくできてるなあと思います(そもそもその前にカナタがジャージを汚したことから続いてますから)。
ユンファの夢
「私は透明になりたいの」
読み返す度に涙腺崩壊。
ユンファに歌という宝物があって本当によかった。
アリエスに言いかけてた「なりたいもの」の正体が透明人間でした、じゃあまりにひどすぎますもの。
本当に好きなものと一緒なら人はどんなに辛い環境だって乗り越えていけます。
だからアストラ好きのそこのあなたも大丈夫、乗り越えていけるよ!(大きなお世話)
カナタの驚きに私が驚いた
そして実は最も好きなのがこの直前のやりとり。
「ごめんなさい私 目立ちたくないの 失敗して目立つのもイヤだし 活躍して目立つのも苦手 何とも思われたくない そういう風に育てられたわ 何もするなって 自己表現する事は恥ずかしい事だって」
「何だって・・・?そういう風に育てられた?」
この時のユンファの的確な物言いとそれに対するカナタのリアクションは衝撃でした。
母親の強い影響下で育った内気な子供なら、自分の抱える生き辛さと母親との因果関係に気付けなかったり、うすうす気付いていても母親をかばおうとするあまり上手く人に話せなくても当然だと思います。
が、ユンファは自分を形作った過去を既にかなり客観的に見ることができていて、しかもその尋常ではない不穏さを端的に第三者に伝えることができているのです。
そしてその言葉をカナタはそのまま信じ、ユンファの苦悩の実態を他者として初めて理解して(自分自身父親と相当の確執があるにもかかわらず)その理不尽さに思わず驚くというリアクションをする。
この時の意思疎通はそれこそ宇宙人との初めての交信並みの奇跡的名シーンだと思いました(肝心のユンファの反応イマイチですが・・・)。
#16に続きます。
お読みくださりありがとうございました!
もっとメジャーな奇跡的名シーン
カナタとウルガー
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